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銀河漂流バイファム13
21
再会への秒読み!収容所へいそげ!

1998年8月22日放映


チェンバーの地図を頼りに、トラックで収容所を目指す子供達。立ち塞がる雪山を越え、彼らは地図に書かれた基地をようやく発見。一向に動く気配を見せない基地に業を煮やしたロディとバーツはRVで基地内に突入するがそこはもぬけの空。実は収容所が存在していなかったことを知りショックを受ける子供達。シャトルに戻った子供達は、残されたチェンバーの書き置きでショッキングなことを知る。この星には両親はおらず、もうひとつのタウト星が彼らの目的の場所であると…。

タウト星に到着したものの、チェンバーにトラックを奪われてしまった子供達。結局彼らはチェンバーの残した地図を頼りに、もう一台のトラックに乗り込んで収容所に向かうことになります。
荒地を進む彼らの前に、生まれてはじめて見る雪山が立ち塞がります。彼らはそのまま直進して山を越えようとしますが、チェーンを付けずに雪道を進もうとしたためにトラックは危うく崖下に転落しそうになります。RVの活躍でトラックは間一髪助かったものの、結局ロディとパーツだけが先行してRVで偵察に向かうことになります。残されたスコット達はジミーが見つけた洞穴の中で暖を取り、霧が晴れるのを待つことにします。
一方、奪ったトラックで目的地を目指すチェンバー夫妻。計画がうまくいったことで浮かれているポール(夫)をよそに、妻のリブレはルチーナから貰ったキャンディをじっと見つめ、子供達の安否を気遣います。
しばらくして霧は晴れ、スコットが運転するトラックは敵を警戒しながら雪道をゆっくりと進みます。その中で銃の使い方を皆に教えるケンツ。目指す収容所を目前に迫り、彼らの表情には緊張の色が見られます。一方もうすぐ両親に会えるということで、マルロとルチーナははしゃいでいます。
その頃、ポールが子供達に渡した地図の収容所が本当は存在せず、現在使われていないククト軍の基地であることをポールから聞かされて激怒するリブレ。彼女の説得によりポールはトラックの進路を変え、再びシャトルに向かいます。
ちょうどその頃地図に書かれた基地をようやく発見し、高台から様子を伺う子供達。一向に動く気配を見せない基地に業を煮やしたロディとバーツはRVで基地内に突入しますが、そこはもぬけの空。基地は無人であり、収容所は存在すらしないことを知ってショックを受ける子供達。両親に会えるという期待が大きかっただけに泣き出してしまうマルロとルチーナ。彼らを連れ、スコット達は仕方なくシャトルに戻ります。
シャトルに戻った子供達は、レッドベアーの旗の下に置かれたチェンバーの書き置きを発見します。そこにはショッキングなことが書かれていました。この星には両親はおらず、もうひとつのタウト星がその目的の場所であると…失意の子供達の上空に、もうひとつの惑星が輝いていました…。

■地図の場所に行った→何もなかった→結局元の場所に戻ってきた、という(悪い意味で)単純明快な話です。子供達がこの星に収容所があると信じていることをことさら強調するために、本編内で敢えて「パパにあえる ママにあえる」をBGMに使ったり(ちなみに旧作の音源そのまま。はっきり言って不要)、ケンツが銃器の使い方を皆に教えて展開によっては収容所に突入する用意があるということを示すという演出の意図は分からないでもありません。しかし、視聴者のおそらく全員はそこに収容所がない(+子供達のいるのが本物のタウト星でない)ことを知っている訳で、そのポイントをストーリーのメインに据えて話の緊張感を維持しようというのは土台無理な話です。子供達の現在いる場所が目指すタウト星でなかったと判明する場面で今回の話は終わりを告げますが、最初からこういうオチになることは分かっていた訳で、結果として非常に内容の薄っぺらい話だったと言わざるを得ません。歩哨に立ったマキがケンツに「親に会ったら何て言う?」と尋ねるシーンや洞窟内で暖を取りながら会話する子供達、またチェンバーに騙されたことに気付いたバーツが無人の基地内で銃を乱射するシーンなどはもう一歩踏み込んで演出するだけで非常に印象的なシーンになったと思うのですがいかがでしょうか。
■前回の20話でルチーナからリブレに手渡されたキャンディが今回重要なモチーフとして登場します。この回の収穫を敢えて一つ挙げろと言われれば、このキャンディをじっと見つめながらルチーナを回想するリブレのシーンでしょうか。本編ではこのシーンと対比して、ルチーナ&マルロがもうすぐ両親に会えると思い込んで嬉しそうな表情を見せながらも、その後収容所が存在しないと知って大泣きするという演出があります。見ていてあまりにも残酷なシーンではありますが、これらの演出があることで今回の話がなんとか一本筋が通ったことは確かです。
■あまり揚げ足取りはしたくないのですが、冒頭で「シャベルや毛布も(チェンバーに)持って行かれている」と言っているにもかかわらず、雪山以降のシーンで子供達が毛布にくるまっているのは絵コンテ段階での明らかなミスです。本編内で印象的なシーンさえあればこの辺の矛盾はおそらく目立たないと思うんですが、今回はあまりにも内容が内容だけに…うーん。次回に期待しましょう。

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