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銀河漂流バイファム13
第2話
戦場真っ只中!必死の逃避行

1998年4月11日放映


タウト星へ向かうジェイナスは地球軍のローデン艦長の部隊と合流し、生活物資の補給を受ける。ロディとケンツは新型RVトゥランファムを一目見ようと補給艦を訪れるが、突然アストロゲーターの攻撃が始まりジェイナスは補給地点を離脱、取り残されたロディとケンツはトゥランファムに乗り込み補給艦から脱出を図る。なんとか宇宙に出た2人だったが、その前に敵の新型ARVが立ちはだかる…。

新作「バイファム13」の実質的な第1話です。旧作でいうと22,23話に相当する内容ですが、ストーリー展開は大幅に変更されています。この回は監督である川瀬敏文氏が直接絵コンテを担当するとあって、ある意味「13」の今後を占う回と言えるでしょう。
冒頭では、ククトニアンと地球人が戦争に至った経緯がナレーションで説明されます。これはドラマを通して戦争の経緯が語られた旧作では見られない、非常に意外なパターンでした。そしてローデン艦長(※今回は大佐と呼ばれることはほとんどなく、艦長と呼ばれてます)率いる補給艦隊との合流。旗艦はもちろんレーガンです。合流の際、旧22話ではスコットがローデン達の眼をあざむくために軍服姿(ヘルベルト・G・フォンシュタイン)に変装するエピソードがありましたが、今回はジェイナス側から補給要請を発信したという設定らしく、事情を理解した補給部隊のローデン艦長はあっさり13人に補給物資を譲り渡します(女性用下着の代わりとして補給される布地&ミシンと、「私、作ります」というカチュアのセリフが次回以降の伏線ですね)。
Bパートでは、補給を受けている最中のジェイナスをアストロゲーターが急襲します。結果レーガンは艦橋をビームが直撃して撃沈され(私にはそのように見えました。旧29話とつながらなくなりますが、大丈夫なのでしょうか?)、補給艦に取り残されていたロディとケンツはトゥランファムで間一髪脱出します。そこへ現れる敵RV(ブラグ)は黒を基調とした新デザインのメカ、しかもなんと円盤型から人型に変形します(Zガンダムのアッシマーに近い形のデザイン。ちなみに顔はほぼマラサイ)。これらARVに襲われたロディ達は間一髪のところをバーツのネオファムとマキのパペットファイターに助けられて事無きを得ますが、この間の戦闘シーンは非常に迫力があり、バーニアをフルに使った宇宙空間でのアクションは非常に見応えがありました。RVについては前作に比べパースのついた作画のせいか断然かっこよく見えます。さらに背景となる宇宙空間も細かく描き込まれており、旧作以上に深みを増して見えます(雰囲気的にはあの「ガンダム0083」の美術ボードに似ているように感じました)。ちなみに爆発光は旧作で見られた特徴的な火球は少なく、あくまでリアルな映像処理が施されています。ネオファムで出撃する際のバーツの台詞「死にたくて出るんじゃねェ、その逆だ!」や、ラストにブリッジでマキが呟く「(ARVが)まるで私達を狙って出てきてるみたいだった…」という言葉も非常に印象的でした。

…この第2話で何よりも良かったのは、旧シリーズが持っていた独特の「緊張感」をきちんとこの「13」が受け継いでいる、という点です。このバイファムらしい緊張感のおかげで、第1話で多かれ少なかれ気になっていたキャラデザイン、そしてフレッド他キャラクターの声の違和感も今回は殆ど気になりませんでした。次回が楽しみです。

■第1話だけかと思っていた旧作BGMが今回も採用されていました。しかもメインどころで使われることが多く、旧作ファンには嬉しい限りです。勿論新BGMもいい味を出しています。
■バイファムNEWSのアフレコ風景で流れた「味方というと補給艦か?」のセリフは、この2話のセリフでした。ローデン達の艦隊に対してロディが発するセリフです。
■この回は旧作のキャラクターであるローデンとアデルが登場しましたが、声優さんは旧作と異なるオリジナルキャストでした。
■今回のアイキャッチは旧作の「逃げるマルロの服を脱がせるクレア+ルチーナ」に、腕組みして立つスコットを加えたものでした。あと何種類あるのでしょうか。毎回が楽しみです。
■おそらく今回は「ボギーの声に違和感がある」という指摘が山のように出るでしょうが、まあいいじゃないですか。
■実質的な1話でありながら、サブタイトル前の一瞬の登場を除いて主役メカのバイファムの登場はありませんでした。ネオファムもトゥランファムも、おまけにパペットファイターまで出てきたのに…。トゥランファムの動きだけが目立った回でした。次回に期待しましょう。
■ひとつ気になったのがオープニング前の映像、通称「ア番」です。この2話で出てこない新キャラのホルテ(ククトニアン難民組織「ラピス」のメンバー)、そして双子の赤ちゃんまでが今回登場しているのです(ホルテについてはEDのクレジットにもちゃんと名前があります)。二越としみさんによるマンガ版(コミックぽっけ連載)での展開を見る限りこの後3〜4話に相当するところで初登場するはずですが、今回のこの「ア番」、来週も同じものを使うのでしょうか?
■モニタ画面にホルテが写るシーンはほとんど「ス○ル星人」(byウルトラセブン#12)でした。いくら電波状態が悪いといっても、ちょっと怖いぞ。
■この回初登場した敵の変形RVブラグは識別コードARV−E。ARVは登場順(地球軍が確認した順)にアルファベットを振られていますが、ブラグのコード「E」というのは旧作で唯一該当するARVがなく、空白だったコードです(ガンダムでいうと「MS−08」みたいなもんですね)。うーむ、またしても芸が細かい。
■Aパートではマルロ&ルチーナが補給物資の粉ミルクを貰うシーンがありましたが、これはミシン&布地と並び以降の展開への伏線ですね(私はうっかり見逃していて、ほうがんさんに指摘されるまで気づきませんでした)。

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