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今回のテーマ

「次にバイファムの新作が作られるとしたら」



委員会公式見解

エピソード1に相当する「前編」


このコーナーの第7回で「こーすりゃよかった!バイファム13」というテーマをやったわけだが、その時の公式見解は「路線をはっきりさせることが第一」というものであった。つまりストーリー重視か、それとも短編中心のオムニバスにするのか、はたまたそれ以外か、事前にしっかり路線を決定しておくべしということである。

「確かにそのような結論でした。なかなか熱のこもった意見が拝聴できたと記憶しております」

今回のテーマはそれの延長線上にあたるもので、実際に今度新作が作られるならどういう内容がいいか?というものである。おそらく「作るべきではない」という意見もあるだろうけれど、今回は「作られるとしたら」という仮定に立っての話なので誤解のなきよう。意見は作品のリリース形態についてでも具体的な内容に関してでもOKである。では、早速寄せられた意見を見ていきたい。今回は新しい投稿の順に紹介。

(本文中敬称略)


新作というと語弊があるけど、後半のア番。(上村@一橋大・男性)

どうしても作れというなら…DVD-BOXのオマケ映像として、「シカゴ・スーパーポリス13」くらいの短いのを。内容は、10年後に13人が喫茶店に集まり、そして海の見える丘を登っていくと墓地があって、13人は1つの墓の前に立つ。墓銘はRIP KATE HATHAWAY 2033-2059。というのをセリフなしで。これくらいささやかなのなら文句は出ないんじゃないでしょうか。OVA第4巻は無視してるけど、まあいいや。(上村@一橋大・男性)

 メカファンの私としては、メカ、メカ、メカを思いっきり前面に押し出した「もう一つのバイファム」にも興味があります。やはり当時オモテに出なかった多くの設定に日の目を見せてあげたいじゃありませんか。RVスコードロンの編隊戦闘とか、ニュートロンバズーカの砲列が一斉に火を噴く艦隊決戦とか、第1話〜3話で私を虜にしたテクニカルタームの洪水・・・・ああ(笑)。別にバイファムじゃなくてもいいだろって?ダメです。バイファムじゃなきゃ!無機質ガラス面のRV(ガンダム系列の目ん玉ありとかモノアイは好きじゃない)が四方八方にバーニアの炎を撒き散らしマニューバしては粒子ビームの雷を放射するんでなければダメなんです。もう一つ、キャラクターはカチュア様が出場なされば後は何でもよいです(バカ) 失礼しました・・・;(天狼星・男性)

まず、タイムマシンを用意して下さい。そんであの時代にタイムスリーップっ内容じゃないんですけど。成長した今から見てもいろいろ感じることはあるんですけど、もう一度あの純粋な(笑うな、そこ!)頃に戻って新作を見たいんです。リアルタイムで本放送をみてなかったしね・・。ま、1年後にみてるんですけど・・(らら・女性)

見たいといったら、やはりカチュアの両親inククトニアン・コロニー編っす。西暦2059年、実は生きていた(!!!)クレーク博士から、カチュアが、ククト星の「ぷりんせす」であることを知らされ、駆逐艦を強奪して一路コロニーへ!道中、思春期に突入した年長組が、恋に悩み、争い、ケンツがククトニアン少女に思いを寄せ、シャロンが暴れて脱ぎ(おいおい)、仲間が次々と別れてしまう中、ロディとカチュアは、生きるためにククトニアンと戦ってきた事実に苦しみながらもククトの「きんぐ」であるカチュアの両親のもとに辿り着く!!・・・って別にここまでやんなくてもいいけど、どうせやるなら、先の展開の全く読めなかった旧作に倣って、思いっきりハラハラワクワクさせて欲しー。そのときはスタッフよ、是非我々の意見を聞いてくれーーーーっっ!(東山夏文・女性)

これまでの私の意見と重複しますが、私は「今の子供たちに向けた作品であれば、なんでもOK」です。彼らに当時の私達と同じ感動を与えてくれるのであれば、例え私(または当時からのバイファムファン一般)が「こんなの見たくない!」と思うような物であっても、この作品としては成功だと思うからです。ただ、これだけでは具体性がないので、蛇足を少々。上記の意向をくめば、前作の後日談というのは難しいでしょう。かといって、前作の物語内部に新たにエピソードを作り込むのも、また難しい。それならいっそ、完全新キャラクターでシリーズを組む方がいいかも。これなら私も(前作キャラの)先入観を持たずに鑑賞できます。クレアド星でシャトルに乗り遅れたロビンソンスクールの子供たちが、開拓地を離れ逃げ惑う。やがて、ククト軍のシャトルを盗んで脱出しようと画策するが…、といった感じかな? TVで子どもが普通に見れる時間の放映が、前提です。(ほうがん・男性)

 13人+αがある程度の大人(イイ歳の人もいるよね)になり、かつ、地球&ククトが意外にもギクシャクしている話など。地球人とククト人、あまり理解ができていたように思えなかったし(子供達は別ですけど)、その現実を、少し大人になった13人がどうとらえるかっていうの、少し興味あります。家族同伴論を唱えていたりした子供達、その時どう考えているでしょう。地球人同士でさえなかなかうまくかないこと、異星人同士だったら、どうなのでしょうね。皆さんはどうお考えですか?(天狼星・男性)

オムニバス形式のサイドストーリーをOVAで。個人的には31・32話のジェイナス組の話や、特定のキャラの視点での話、ククトニアン4人組中心の話が見たいです。1本15〜30分で3〜4本あたりぐらいで。(なべなべ・女性)

ロディを主人公にした「その後」。「13」のようにエピソードの挿入という形を取ると、結末がわかっているので緊張感が欠けてしまう。また、コメディーに走り勝ちになりバィファムの世界にそぐわなくなる。「この先どうなるの?」と言う緊張感を作るには新しい物語のほうがよい。キャラクター描写は、13人のキャラクターを旧作のファンが満足するように作ると八方美人になるし、13の二の舞になるので、ロディ以外のほかの12人は余り出さない。ただし旧作のキャラクターがまったく出てこないと寂しいし、TVシリーズだったら視聴率にもかかわるだろうから、主人公はロディにする。しかし、ロボットアニメである以上戦争は避けられないだろうけど、またロディを戦争に巻き込むのはちょっとためらわれます。OVA4巻ではロディはまだ地球にいることになっていましたが、ベルウィックに行ってもらったほうが物語は作りやすいかも。とにかく、過去にこだわらずに新しい物語を作り出して欲しい。(yoshi・女性)

13人それぞれの眼から見た旧スト−リーが見たいです。ん?ってことは「46×13」本作って貰わないと(笑)。(ケンツ・男性)

神田さんに蘇って戴いて、スタッフの人々に若返ってもらって、番外編のみ数作作って戴きたいな・・・。直接本編に関わらない様な・・・・「消えた12人」の様に。文句やツッコミは言いたくないからなー。良い思い出は大切に・・・。(寒色ガール・メトロ・女性)

続編ではなくて、「前編」。もちろんRVはトランファムとネオファムぐらいしか出てこない。(後半、バイファムが新型として登場) 話としてはベルウィックに地球人が移民するあたりから、ククト人との「お互いを知らない」接触を描いて欲しい。結局は「戦争」を選んでしまう悲しさとか。最後のネタとしては、やはりカチュアが拾われていくところではないでしょうか?(う・・・某○TAR ○ARSみたい)(うるめいわし・男性)

旧作と同じ内容で実写ドラマを作る。俳優は外国人の子役を使い、セリフは英語。ロケは本物の宇宙で。RVは等身大の2足歩行ロボットを本田技研に作ってもらう。世界市場を狙えるのではないか?(saku・男性)

実在の俳優さんによる実写ドラマ。みんな13人のお子さん達みんなガイジンだから(・・・だよね?)、役者さんもみんな外人さんで。ミューラァ役はもちろんデヴィット・ボウイで(笑)。(いそ・女性)

バイファム外伝、地球人&ククトニアンのファースト・コンタクト物語。イデオンやマクロスなど、SFロボットアニメでもありがちな地球人と異星人の最初の接触の物語を、バイファム世界でも描く。バイファム本編第1話は、物語の登場人物にとって最初の接触だったわけだが、物語中幾度もそれ以前の接触について話がでてきたし、カチュアの存在もある。地球がどのように外宇宙まで進出し、いかにククトと接触したかを丹念に描き、第1話のククトニアンによるクレアド侵攻にいたる道をみる。その物語で、チェンバー夫妻、ミューラア、カチュアの出自を明らかにしたい。(saku・男性)

 1話若しくは数話で完結のOVAとして、話のネタを公募。それをオリジナル版スタッフが選考の上作成。ただし、内容はジェイナス号航海で語られなかったエピソードや、ガイ達との交流についてなど、時間設定は本編の時間に限定。後日談などは禁止(それぞれ思い描くものは違うでしょうし)。 このような企画を出して、選考をクリアするくらい強力な物を出すようなコアなファンなら、世界観を壊すようなアイディアは出さないだろう、多分。また、バイファムはそう言う公募ができそうな作品だと思うんですが。 なお、本当にこんな企画が実現したら、僕は応募・・・しない(できない)でしょうな、やはり。理由は自分に文才がないことと、そのような形で手に取ろうとしたならば、大切な宝物であるそれを壊してしまいそうな気がするので・・・。(外道竜神・男性)

メルが主役の劇場版。(MAGI・男性)

困った。今回はてんでバラバラである。単純に多数決を取るのであれば「オムニバス形式で番外篇を数本」となるけれど、その他の意見の説得力がありすぎる。

「オリジナルシリーズのイメージを損なわないという点だけは共通ですが、アプローチはまったく違いますねぇ」

実写版というのはファンの好き嫌いが激しいかもしれないが、全く新しいファン層を開拓し、かつオリジナルのアニメを知っている層が「にやっ」とするような内容であれば文句はあるまい。勿論コケる確率はアニメよりはるかに高いはずなので注意は必要であるが。また「前編」という発想もユニークである。ある意味スター・ウォーズのシリーズ構成に近いアプローチ方法であるが、もともと地球軍のイプザーロン進出はテレビシリーズの舞台よりもはるか昔に起こっているわけで、そのような舞台背景を考えると新作としては適切なテーマなのかもしれない。もちろん純粋にテレビシリーズのあとに続ける物語というのもアリだが、その場合は「ケイトの記憶」の処遇が難しい。

「というわけで公式見解はいかがいたしましょう」

今回は迷いに迷った挙句、上の「前編」というのを公式見解として採用したい。舞台は2058年よりも前に遡り、地球軍がイプザーロン系に進出してククトニアンとコンタクトをとる頃の話である。勿論のちに戦争が控えているわけだから悲劇的な物語になる可能性は大だが、世界観に決定的な厚みを加えることは間違いない。おそらく13人は年齢的にも物語には絡んでこないであろうが、それでもバイファム世界の空気が感じられる作品になるはずである。ただし、その後戦争が起こるのが分かりきっているからといって先が読めてしまう展開では失格。いい意味でオリジナルに近いハラハラドキドキを兼ね備えたストーリーであることは必須である。

「よくよく考えるとチェンバー夫妻の生い立ちの話とかぶっているような気もするのですが…」

言われてみれば確かにそうだが、あの話は過去話をむりやり回想シーンとしてドラマに絡めてあるわけで、純粋に過去を舞台とした上の話とは決定的に異なっている。誤解のなきように。

「なるほど、分かりました。ところで今の子供達のためのまったく別の物語といえば、最近バイファムとシチュエーションがよく似たアニメがあるそうですね。同じサンライズで」

実際に番組を見たことがないのでここではノーコメント。ただしある意味今風のバイファムという見方もできるようだし、そういう意味では「今の子供達のための〜」という条件はぴったり適っているのかもしれない。

(構成:MAGI)


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