【←前の話】 【放映リスト】 【次の話→】

銀河漂流バイファム13
25
大ピンチ!!最後のチャンスにかけろ!

1998年9月26日放映


ポールは最後の手段として、資材運搬用の発射台でカーゴを打ち上げることを考え付く。シャトルをカーゴの代用とし、台座に載せて打ち上げる準備を進める子供達。そんな時出現したククト軍とARVによりマキ達が人質に取られるが、テスト射出された台座が偶然近くに落下したことで彼らはなんとか難を逃れた。そしてジミーはメリーをククト山羊の群れへ返すことを決意。ケンツの励ましでジミーは笑顔を取り戻し、彼らの出発はようやく間近に迫ってきた。

せっかく手に入れた輸送機をケンツが墜落させてしまったことで、再び宇宙へ飛び立つ方法を見失った子供達。落ち込む彼らの横で、ポールは旧タウト星の開拓時に使用されていた資材運搬用のロケット発射台を使い、カーゴを打ち上げることを考え付きます。早速発射台のある古い基地へ向かう子供達。施設は整備することでなんとか使うことができそうですが、カーゴそのものは物資運搬用のものばかりで人が乗ることができません。そこで子供達は以前離陸を試みて壊れてしまったシャトルをカーゴの代りに用い、台座に載せて打ち上げる計画を立てます。
早速フレッドが中心となってカーゴの台座の整備が行なわれることになります。それを手伝おうとするポールでしたが、前回輸送機を墜落させていることで子供たちから敬遠され、妻ディグレにも相手にされない始末。同じく輪から外れているケンツと2人で空を見上げて落ち込むポール。なにやらこの2人、ここにきて名コンビの様相を呈してきました。
一方その頃バーツとロディ、そしてマキ達は壊れたシャトルを基地に運ぶために湿地帯に向かっていました。彼らに同行しているジミーは、目の前にククト山羊の群れを見つけてその中に戻っていこうとするメリーをなんとか引きとどめようと必死です。メリーを追って仲間から離れたところに来てしまったジミー。そこへ突如、前回輸送機を奪われたククト兵達が操る2機のRVが出現。追われるジミーとカチュアを助けるため、ロディとバーツはRVで戦闘状態に突入します。身軽な敵RVに苦戦するロディ達、ジミーとカチュアを助けようとしてトラックを走らせるマキとシャロン。岩場に身を潜めるマキ達4人の背後から2人のククト兵が現われ、彼女たちが人質に取られたことでロディとバーツは絶体絶命のピンチに陥ります。
その頃基地ではケンツの発案により、整備が終わった発射台を使ってカーゴの打ち上げテストが行われることになりました。無人のカーゴは無事打ち上げに成功し、切り離された台座は地上に落下していきます。ロディ達に銃口を向ける敵RVのすぐ背後に墜落して大爆発する台座。敵RVがそれに気を取られた一瞬の隙を突き、ロディとバーツはこれを撃破。マキ達もなんとか難を逃れることができました。
そしていよいよ彼らの出発が間近に迫ってきました。ジミーはそんな中、メリーをククト山羊の群れへ返すことを決心します。メリーの首につけたロープをほどいてやるジミー、彼は立ち去ろうとしないメリーを自ら追い払った後、帽子で顔を隠して人知れず涙を流します。基地へ戻っても元気のない彼を励ますケンツ。彼の言葉によって、ジミーはようやく笑顔を取り戻すのでした。

■前回輸送機を墜落させたことで落ち込んでいるケンツの描写と、仲間のもとへ戻ろうとするメリーをめぐるジミーの描写。並行して描かれるこれら2つの物語がラストシーンで一本にまとまるという綿密に練られたストーリー展開は、個々のキャラの動きも含めて十分納得がいく内容でした。異常なまでにメリーに執着するジミーの描写はかなり極端ですが(なぜ岩山からダイビングまでする?)、ラストシーンで自らメリーを追い払った後帽子で顔を隠して涙を流すジミー、そして落ち込んでいる彼を励ますケンツとジミーのシーンは非常に印象的なものでした。個人的には、仲間と共に去っていくメリーには一度でいいからジミーのほうを振り向いてほしかったんですけど…。
■前回落とし穴に落とされたククト兵が今回再登場。「ロエマカッツ」や「テタ!」「(銃を)ロステ!」など、例によって非常に分かりやすいククト語を披露していました(笑)。一度でいいからククトニアンに「すかんち」と言わせてみたい…ごめん。
■パンを食べるポールが取り出したジャムは旧作39話でジミーが作っていたものとそっくり。勿論直接のつながりはありませんが、ワンポイントとしてはグッドでした。レッドベアのマークをブタと評したポールにムキになって反論するケンツもなかなか愉快でした。
■穴に転落したトラックから思い切り車外に放り出されてなんともないマキとシャロン、爆風で飛ばされてもかすり傷ひとつないカチュアとジミー。うーん、きみたち人間とは思えないね(苦笑)。
■今回はノーマルとカラーリングの異なる紫色のジャーゴが登場し、シャトルを取りに来たバイファム、ネオファムと一戦を交えました。もともと独特な動きをする機体だけに作画をする側からすると描くのが難しいメカだと思うのですが、今回はアクションが派手で、不気味な機体色とあいまって(笑)非常にいい味を出していました。それにしても敵であるククト兵の扱いはやっぱりあんなもんですかね…彼らはもともと行方不明になった味方の偵察機を探しに来ただけで、そういう意味であまりにも可哀相。何ら主張の場がない彼らの扱いについては個人的にいまいち納得がいかないです。あと、マキたちが人質に取られていながらスキを見てジャーゴを撃破するロディ達の行動もよく考えるとおかしいのですが、こちらは「偶然ジャーゴの近くに台座が墜落する」というシチュエーションがユニークだったこともありますし、敢えて突っ込まないでおきましょう。
■というわけで、いよいよ次回が最終回となってしまいました。私が今回ちょっと引っかかったのは、てっきり最終回で使われると思っていた新挿入歌がジミーとメリーの別れのシーンであっさりと今回登場してしまったことです。もちろん今回の使用が最後と決め付けることはできませんが2話続けて使われる可能性は低いわけで、ひょっとして最終回では再び『君はス・テ・キ』が使われるのか?と勘ぐってしまった次第です(頼むからそれだけはやめてほしい…でもそれっぽい…)。
いずれにせよ、見事に新シリーズを締めくくってくれる感動の最終回であることを期待したいと思います。

【トップページ】