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| 銀河漂流バイファム13 | |
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| 第 19 話 | |
| 「 両親に会えるの!?飛んで火に入る13人 」 |
なんとククトには２つの衛星が存在していた。まず地球型の星に向かうことにした子供達は、手前の宇宙ステーションで謎の老人に出会う。地球軍人を装うものの変装がバレた老人＝ポールを問い詰める子供達だが、妻のリブレの登場によって彼らは監禁され、ポールはジェイナス奪取に向かう。子供達に取り押さえられたポールは息子のために地上に降下しようとしていたことを告げる。結局シャトルで同行することになったものの、彼らを信用するかどうかでスコットの悩みは募る…。
いよいよタウト星が目前に迫ってきたジェイナス。子供達は天体望遠鏡を覗きながら、もうすぐ会えるであろう両親に対し想いをはせます。ところが彼らはここで重要な問題に直面することになります。レーダーで確認したところ、なんとククトには衛星が２つあったのです。ボギーの分析によって両方に重力反応があり、ひとつは大気のある地球タイプの星、もうひとつは岩石型の星であることが確認されます（勿論本物は後者なのですが）。ここで「民間人が囚われているくらいだから地球タイプがタウト星だろう」と結論した子供達は、こちらの「にせタウト星」に進路を向けることにします。タウト星の手前に浮かぶククト軍の宇宙ステーションを発見した子供達は直ちに戦闘態勢に突入。ステーションは何の動きも見せず、バイファムら３機のＲＶは中に突入します。人の気配のない格納庫に鎮座する地球のシャトル「ロブスター号」から降りてきた謎の中年男。ぶかぶかの地球軍の制服を着たこの男は「チェンバー少佐」と名乗ります。思わぬところで地球軍との遭遇に驚くバーツ、ロディ、マキ、ケンツの４人。チェンバーは事情を聞くため、ＲＶを降りた彼ら４人を別室に案内します。チェンバー以外に誰も姿を見せないことに疑いを抱きつつ、バーツ達は事情聴取に応じます。
事情聴取の最中、部屋の扉を閉める、閉めないでもみ合いになったチェンバーと子供達ですが、その際チェンバーのカツラと付け髭が取れてしまい、軍人に変装していたことが露見してしまいます。植物学者のポール・チェンバーであると名乗り直した彼を問い詰める子供達でしたが、そこに現れた妻のリブレによって形勢は逆転。子供達は部屋に閉じ込められ、ポール・チェンバーはバイファムに乗り込んでジェイナス奪取に向かいます。４人を人質に取られたことを知り、仕方なく彼を船内に迎え入れるスコット達。
その頃監禁されていたロディ達は、ケンツの小便がオートロックの電子回路を偶然ショートさせたことで(笑)閉じ込められていた部屋を脱出。リブレからネオファムを再奪取し、ジェイナスに通信を入れます。ジェイナスに単身乗り込んできたポールは子供達の活躍によって取り押さえられました。
ポール達を尋問する子供達。乗り逃げしてきたシャトルが故障し、地上に降下するために（本編では、彼らが向かおうとしているのがタウトでないという表現はありません）ジェイナスを奪取しようとしたことを告白するポール。彼らの目的は何らかの形で危機に陥っている息子のアランを助けることにあるようです。ここまでだと観念して自分達を撃つよう子供達に告げるポール達に対し、共に地上に降下することを提案するジミー。こうして彼らは行動を共にすることになり、バーツとロディはシャトルの修理に取り掛かることになりました。しかし彼ら老夫婦を全面的に信じてよいものか、リーダーであるスコットの悩みは募るばかりでした…。
■今回の１９話から最終回までがひとつの大きな話ということで、物語はここにきて新たな展開を見せました。タウト星が２つあるという大胆な新設定によって子供達は結果的に「寄り道」せざるを得なくなる訳ですが、ＳＦ的には今回の設定は大いなる矛盾があります（質量と大気の問題など）。この辺の嘘についてはストーリー重視の観点からむりやり許せたとしても、問題なのは今回「岩石地帯の星」と称された本物のタウト星が、旧作の設定によると直径２ｋｍ弱でしかないということです。もともと岩石に人工建造物を取り付けたという設定である本物のタウト星、今回の「にせタウト星」とのバランスを保つために設定がむりやりねじ曲げられはしないか？という点が大いに気になるところです（勿論このまま一切触れられない可能性もないではないですが）。■新キャラの老人ポール・チェンバーはいかにもといった感じの芦田デザイン(笑)。異様に無口な妻のリブレと共に、劇中で異様な雰囲気を醸し出していました。ポール本人は劇中では地球人だと名乗っていましたが、髪の色から推測するにリブレ同様ククトニアンだと思われます（彼らが果たしてバイファム世界にマッチするキャラなのかどうかの判断は、今回はひとまず保留とします）。リブレが持つ写真に写った息子のアラン（なかなかの美形…きちんとした形での登場はあるのかな?）がどういう立場の人物で現在どのような状況にいるのか、またポールが何故「片道切符」という言葉をしきりに繰り返すのかが今後のポイントとなりそうです。なお、ポール役の声優は旧作でサライダ博士役を演じた緒方賢一氏で、ここらへんは旧作ファンへのサービスという面もありそうです。性格は１８０度違うキャラですけど。
■子供達の行動に「？」マークの多かった今回の話ですが、３機同時にジェイナスを発進し、さらに一斉にステーションに突入するＲＶの運用方法はかなり変でした。第４話で用心のために１機残して発進したことを忘れましたか？いくら脚本が別の方とはいえ、ちょっとねえ。あと、ラストシーンでポールを尋問する際、子供達が彼らを全く警戒していない点も不自然です。こういう部分は演出レベルでも何とかなるものだと思うのですが…。
■タウトに降りることを考えてメリーのために干し草を作っておこうとするジミー、両親に嫌われないようシャンプーをクレアに頼むルチーナ、そして流れゆく彗星を見るマキの横顔をじっと見つめるバーツなど、全篇に多数のキャラ別小ネタが盛り込まれていました。ストーリーには直接絡まないシーンでしたが、これらの存在によって結果としてバランスのとれた話になったのではないでしょうか。この他にも、ジェイナスに侵入してきたポールを布を使って捕まえるのがクレア、シャロン、ペンチ、フレッドの４人の役目で、カチュアが加わっていないのがナイスキャストでしたね。
■今回の作画陣は前回の１４話で物議を醸したスタッフの方々です（作画監督は臼田氏）。海外発注？のせいか突如絵のデッサンが狂いまくる点は前回同様非常に気になりましたが、全般的にキャラの頭身については旧作に近いということで違和感が無く、個人的には評価したいところです（このスタッフが作画を担当する回は、キャラの目の下の３本線が控えめに描かれています）。特に今回は冒頭の展望室のシーンや彗星を見つめるマキの横顔（に一瞬見とれるバーツ）など、ビジュアル的に非常に美しいシーンもありました。あ、そうそう、「クレアのバスタオル姿＋立て膝」も高評価。違う意味でね(笑)。
■バイファム本編とは何ら関係ありませんが、今回から「あにめシャワー」のOPテーマが変わりました。歌うのは吉本の若手「二丁拳銃」。しゃべくり漫才専門の彼らをこんなところで見ることになろうとは…猿岩石路線を狙ったんでしょうが、なんか変…と、今回はこのへんで。