さて、問題はこれらのアクションをどのようにして再現するか、である。
当然のことながら、実在の役者でこれらの動きを再現するのはまったくもって不可能である。
だいたい、 全速力で腕を3回も振りながら僅か3メートルしか前進せず、かつ急停止と同時に全身の関節を外して体を反転させ、その直後に腹筋を過剰なまでに収縮させながら直立→前屈→直立の繰り返しを2往復行い、その間に腕は上下に4往復させる、という動きを瞬時に行うことはどう考えても
ヒト科の動物には再現不可能である。
が、しかし!しかしである。
アニメーションというのは、もともと独立したコマを積み重ねて「アニメート」しているわけで、実際にその動きが行われているわけではない。
つまり、仮に実在の人間であっても、同じように独立したコマとしてこれらのポーズを撮影し、それを「アニメート」すれば、同様の動きが表現できるというわけである。
例えば、こういうことである。
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→
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このコマを
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こーしたり
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とか、
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→
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このコマを
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こーしたり
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といったように、一枚一枚写真に置き換えて、最終的にそれらをアニメートすればいいのである。 そうすれば、一見アニメ的なこれらの動きも無理なく再現できるというわけである。
というわけで、一枚一枚撮影した結果が以下の写真群である。
ちなみに顔の部分は今回はモザイクではなく「スコットお面」を着用してみた。
■走ってきてシャロンの前に回り込むまでの部分を再現

■「これには、深〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い」のセリフの部分を再現

■「深〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い、ワケがあるんだよぉ〜」→静止までの締めの部分を再現

あらためて1ポーズごとに再現してみると、もう、なにもかもが常識外れ、常人が想像できる範囲の外側に存在している動きであることがはっきりと分かる。タダの静止画であるにもかかわらず、そのポーズの異常性は見る者にひしひしと伝わってくる。
スコット=ヘイワード15歳。イプザーロン系の開拓星クレアドに住む、人類を超越した恐るべき少年である。