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銀河漂流バイファムうそ
第 31 話 うそ
ジェイナス素足で猛ダッシュ!3人減ったらなんか身軽っス うそ

1984年05月26日放映 うそ


大混乱の中大気圏に突入するジェイナス。着地に失敗してずっこけるも不死身のスコットをはじめ全員無事。エロ本の登場後はマキの下着コレクションも大公開、どこが13才やねん、あれ。しかもクレアの胸はタテ揺れしてるし、ロディは半裸で二の腕や鎖骨丸出し。なんか知らんけどスコットは夜空の月に遠吠え、そういえばキノコでラリってしまうという話は「うる星やつら」でもあったような気がする。あれはマツタケモドキか。まあいいや。まあ、そんなこんなでククト星の夜はふけていくのであった。

(本篇30話のつづきを想定してお読みください)
ロディ達3人とはぐれたまま、ジェイナスは単独でククト星突入を実行に移します。ロディがいなくなったことでバーツを独占できると思ったのか、マキの口元は始終緩みっぱなしです。一方カチュアが戦闘で死んだと早とちりしたジミーは「じゃ次の女にゴー」と速攻でルチーナにモーションをかけますが、マルロがものすごい形相で刃物を持ち出してきたためあっさりとターゲットをペンチに切り替えます。ジミーがペンチにちょっかいを出したことに激怒したフレッドはニュートロンバズーカを持ち出し、大気圏突入のカウントダウン中にもかかわらず船内は大混乱に陥ります。
そんな中スコットの指示で大気圏に突入しようとするジェイナスですが、いつの間にかタウト星通訳の大群が船体にしがみついていたことにより進入角度が徐々にずれ始め、その上ボギーまでもが冷静さを欠いて関西弁で「あつあつっ!」と叫びまくったために子供達は大パニックに陥ります。思わず辞世の句を読んでしまうペンチ、錯乱して「ハローバイファム」に乗せて踊り出すマキ、身悶えして彼女にすがりつくクレア。その中でもペンチの奪い合いの途中、間違って互いに抱き合ってしまうジミーとフレッドには笑えました。

そうするうちにタウト星通訳も一人残らず燃えつきなんとか大気圏に突入したジェイナスは、惑星緊急着陸用の生足を船体底から出しつつ着陸ポイントを探します(風にたなびくリアルなスネ毛がなんともいえない雰囲気を醸し出していました)。障害物の少ない盆地を発見してようやく着地したジェイナスでしたが、小走りで減速している最中に傍らにおいてあった桐タンスの角に足の小指をぶつけてもんどりうって転倒、谷に激突して大破してしまいます。激突の瞬間スコットは勢いあまって「気をつけ」の姿勢のままブリッジの窓ガラスを突き破り、ぴょ〜んと飛んでいってしまいます。 以外と冷静に「キャプテン!お気を付けて!」と笑顔で見送るペンチ、ハンカチを振るクレアのすがすがしい表情も印象的です。しかしその5分後、何事もなかったかのように戻ってきたスコットには正直驚かされました。
(ちなみにジェイナスの着陸用生足は後ろの2本が吹き飛ばされたようで、大気圏突入用のルーズソックスと共に湖に墜落しているのがBパートで登場します。残った前2本は現時点では正座していますが足の小指の爪の内出血が徐々に広がっており、今後が非常に心配です)。

ようやくククトの大地に降り立った子供達。バーツは敵の目を欺くため、ピーピングトムをばらまきに出かけます。なぜか一緒にばらまかれるエロ本は、ククトニアンが全員エロ本に目がないという習性を利用したバーツのファインプレーと言えます。まだ読んでいないのに手放さざるを得なくなったエロ本に、バーツが「あばよ」と呟き、敬礼をするシーンはバーツファンでなくてもホロリとさせられる場面です。
一息ついた子供達はククト星の偵察を兼ねてキャンプに出かけます。バーツは「食材は新鮮なのが一番!」とばかりにジミーやフレッドを連れ、シャロンが作った弓と槍を持って狩りに出かけます。森の中でククトの動物と間違われて弓で狙われた挙げ句、尻を矢で貫かれて絶叫するミューラアが哀れでした(格好がターザンスタイルだったので仕方ないですね。まあ逃げることができただけ良しとしましょう)。
ちなみに、このシーンでジミーが集めていたキノコは後々のトラブルの原因となります。

狩りに参加しなかったクレアがストレス発散するためにトゥランファムに乗ってギャンザーを撃ちまくっている最中、ククト軍の特殊部隊が襲来します。初出撃となるクレアを守ろうとスコットのイエローバイファムが援護に出ますが、初登場となる敵の「ノレノレド隊長」のジャーゴ改(←上半身は通常のジャーゴですが足が8本ある特殊仕様で、「ダグラム」に登場したデザートガンナーのような動きを見せます)の前にスコットは一撃で撃破されてしまいます(このシーンでもスコットはコクピットをビームで直撃されたにもかかわらず、そのあと黒焦げになりつつも平然と帰還したのには驚かされました)。
このノレノレド隊長は以前登場したククト軍のルルド艦長の遠縁に当たるらしく、今回は「赤ん坊を渡すからカチュアをよこせ」という意味不明な条件を持ちかけてきます。子供達が渋っていると(シャロンは乗り気でしたが)おまけにチェンバー夫妻もつけるなどと交渉の条件はエスカレートします。バーツとフレッドは結託して交渉に応じようとしますが、ウェアパペットを着たジミーの頭突きを食らい失神します(思わず脱尿してしまうフレッドは第1話のシーンを相当意識したものだと思われます)。そのジミーはノレノレド隊長と一戦交えようとパペットファイターで出撃しますが、意識を回復したフレッドのニュートロンバズーカによって撃ち落とされます。
トゥランファムと激しい戦闘を繰り広げるノレノレドはジャーゴ改の足がからまったところをクレアに捕捉されますが、トゥランファムのかかと落しを食らう直前にノレノレド隊長は「ポチッとな」と自爆ボタンを押してしまい大爆発、もう一機のジャーゴ改に乗っていた女兵士とともに三連自転車で逃走します。ちなみにこの女兵士はノレノレドも一目を置く存在で、本編で「女史」と呼ばれていたのが意味深でした(ジャーゴの機体にキティちゃんシールを貼っていたのはいただけなかったですが…)。もう一機のパイロットと3人揃って嬉しそうに猛然と自転車をこいで逃げるシーンは、ドクロの形の煙、及び「やら〜れちゃった〜悔しいな〜」の挿入歌(クレジットはありませんでしたが、唄はおそらく笠原弘子さん)とともに共に非常に印象的でした。

戦闘が終わり、ラストシーンは夜の湖畔でのキャンプです。ペンチが昼間捕まえたメニアを丸焼きにしてたいらげている最中、マキはひとり湖に泳ぎに出かけます。夜の湖で気持ちよさそうに全裸で泳ぐマキの肢体が印象的ですが、覗いていたバーツに気付いた彼女がカメラのほうを振り向いた時、大事な部分は帽子できちんとガードしていたのはちょっぴり残念でした(ちなみにスコットはこのシーンを含め、Bパートでのセリフはすべて「ムフッ」の一言だけでした)。
その後は全員集まっての大バーベキュー大会が実施されますが、ジミーが持参した怪しいキノコを食べた子供達は揃って錯乱状態に陥ります。湖に突き出たジェイナスの生足に登り超ビキニ姿のまま水面にダイビングするジミー(着水後ビキニだけが浮かんでくるのはお約束)、いきなり時速80kmでバタフライをはじめるペンチ(対岸に押し寄せる波が圧巻)。そんな中、野生の本能が目覚めてしまったスコットが月に向かって「わお〜ん」と物悲しそうに遠吠えするシーンは印象的でした(一瞬彼の顔がオオカミにモーフィングしかけるという、前衛的な演出もありました)。BGMの「鎮魂歌」もいい味を出しており、この場面は上空に輝く月(タウト星?)の美しい輝きとともにバイファム史上に残る名シーンとして長く語り継がれるのではないでしょうか。

■ジェイナスが着地の際つまづいたタンスは実はククトの原住動物である「ククトタンス」です。設定ではギャンザーと並び猛毒を持っており、噛まれたらイチコロということになっています。このククトタンスの死骸を拾ったスコットが中にあった下着を頭にかぶり「ムフッ」と呟くシーンがありましたが、可哀相なことにこれはミセスロビンスン愛用の下着です(コマ送りで見ると、マジックで「ロビンソン」と書いてあるのが確認できます)。
■赤ちゃん事件からなにかと色気が出てきたシャロンですが、今回は偵察に出るシーンで本編初のスカート姿を披露してくれました。スカートが風にまくられてチラリとデート用のヒモパンが見えるなど、この回の作画を担当したスタジオライブのスタッフのこだわりが伺えました(Aパートではいつものイチゴパンツでしたが、これはおそらく作画の指示ミスかと思われます)。その後シャロンがマキにブラジャーを借りに行くシーンもありましたが、マキのサイズがあんなにでかいとは驚かされました。着やせするタイプなんですね。
■そのマキがシャロンに披露した下着コレクションは非常にカラフルで、塗り分けの細かさが際立っていました(録画されていた方はコマ送りでじっくりご覧ください)。純白から黒レース、果ては白トランクスまでありますが、その一方すみのほうにある黒レースのブラジャーは、前回の第30話「暗いよー!暑いよー!怖いよー! 恐怖の大気圏突入初体験は別れの予感」の冒頭で着用していたものではないかと思われます。
■今回あまりぱっとしなかったスコットですが、タンスの中にあった下着と預金通帳をずっと気にしているシーンは彼らしい演出という意味では際立っていました。それにしても、残高がマイナスだったのはなにかの伏線でしょうか。
■この回は早くから作画がスタートしていたことが以前から話題になっていましたが、実際のところテレビシリーズとは思えないクオリティを誇っていました。また今回からククト星篇ということもあって若干各種デザイン細部の見直しが行われており、ジミーについては今回から麦わら帽に替わりテンガロンハットを着用しています(テンガロンハットの作画資料は先週発行のバイファムニュースに紹介されています)。またマキの帽子も今回からインベーダーキャップに変更されていました。
■今回はジミーの描写が非常に多い回でした。カチュアからあっさりペンチに乗り換えただけではなく、あれほど慕っていたケンツの身の回りの品をまとめて廃棄してしまうところに彼のここまで描かれなかった本性がよく表れていました。また終盤キノコをつまみ食いしてラリってからはクレアまでもつまみ食いしようとするシーンもありましたが、ここでは上空から落ちてきた金タライでジミーは失神してしまい、クレアは危うく難を逃れました。
■今回トゥランファムの隠し装備がいくつか登場します。右腕に仕込まれたガトリング砲に加え、左腕にはパイロットの脳波でコントロールされるビームガンが仕込まれており、俊敏な動きを見せていたジャーゴ改1機を一撃で撃破しました(結局残りの2機は自力では倒せなかったのが情けないですが…)。ビームをコントロールする際のクレアのすさまじい形相と体から発するオーラ、さらにそれに伴う胸のタテ揺れは見ていてインパクトがありました。なおこれらの隠し装備はカチュアとケンツが乗るトゥランファムにはない特別なもので、この機体は設定資料では「トゥランファムヘヴィーアームス」として区別されています。
■ドッキングカーゴを用いて別途大気圏に突入したロディ達ですが、今回は彼らがククトの砂漠で朝のラジオ体操(しかも第2)やってるシーンしか写りませんでした。ジャンプのあとのガッツポーズみたいな振りつけのところでは、カチュアが恥ずかしそうに少し内股にしてるのがなかなかグーでした。 一方服はボロボロで半ケツ状態なのにけっこう大胆なセクシーポーズをとるロディと、ほとんどヤケクソで体操するケンツとの対比は際立っていました(ちなみにロディがボロボロの服を着ていたのは、どうも気を失っている時に異星人に剥かれたことが原因のようです)。そのケンツの頭突きがモロに決まり、血をダラダラ流すカチュアのシーンは印象深いです。
■ククト星に着いた後も、依然ペンチに対するジミーの猛アタックは続きます。フレッドの目を盗んで自作のポエムをペンチにプレゼントするジミーでしたが、その内容は「僕がステーキなら、君はソースだ」に始まり「ペンチ、君がめしべだとしたら僕はおしべだ」「君をメリーと同じように優しく乳絞りしてあげるよ…」など、だんだんと隠微な内容へと変貌します。また最後に「あ、あの、ぼく…」という言葉が延々とリフレインされる詩が登場しましたが、あれは実はモールス信号のようなパターンであり、秘められた重大なメッセージがあるそうです(パーフェクトメモリー参照)。今後劇中でその意味が明らかになることを期待します。

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