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今回のテーマ

「あなたがバイファムを好きな理由」



委員会公式見解

一言で言うと「キャラの魅力」なんですが、
今回はそれぞれの意見をお楽しみください


この「公聴委員会」もとうとう今回が最終回。マジメな投稿企画は当サイトにとって初めての試みであったが、おかげで多くの方の貴重な意見を拝聴することができた。この場を借りて参加してくださった方々に厚く御礼申し上げたい。

「あっという間でしたねぇ」

今回のテーマは今までにない抽象的なお題である。自分が好きなことを文章に置き換えてコンパクトに説明することほど難しいことはないし、それに加えてバイファムの魅力がほんの400字程度にまとまるものでないことは承知の上だが、今回は最終回ということもあって敢えてそれにチャレンジである。今回は投稿順の紹介となるが、どの意見も非常に熱がこもっているので是非じっくりとご覧頂きたい。

(本文中敬称略)


う〜む、魅力・・・好きな所・・しいて言えば全部!!ですね。監督もストーリーもキャラクターも音楽もどれか1つでも違っていたらきっとこんなにはハマらなかったと思います。(そして始めてこのバイファムを見た歳が登場人物の彼等と同じ年頃だった・・というのもかなり効いてると思うかな。)(匿名希望・女性)

 どうして僕はバイファムが好きなんだろう・・・・・ 子供達が、(その当時の)等身大の少年たちによって演じられたいわゆるリアリズムや、時代に即した生活感という点でトライダーG7と双璧をなす「臭さ」があったことか。 でなければ、メカ&SF設定が当時解明しうる限りのリアリズムに基づいていた点(リフレイドストーン等の若干突飛な発想はあったと思うが同じネタはその後もガルフォース等で出てきたし)や、戦闘及び指揮通信、そしてボギーのメッセージなどがリアルだった点か。目をキラキラさせて観ていた自分を思い出す。(マニアやなー自分。) しかしながら一番の要因は、なんと言っても先に述べた声優さん達の世代的等身大の演技(一部某ケンツ・某ジミー等を除く)、13人の子供達の、自然で子供(少年少女)らしい描写の2点に尽きるだろう。今も多くの旧作ファンを惹き付けて止まないのはこの点であると断言してもいい。(天狼星・男性)

うーん、ストーリーも良いし、音楽も良いし、絵もそんなに崩れなかったし・・全体ひっくるめて好きですね、やっぱり。何か1つ欠けたら、「俺の中にある今のバイファム」にはならなかったでしょうしね。あえて選ぶなら、キャラの描き方、動かし方を筆頭に挙げます。子供達の心の中が表情や態度として描かれていて、見ていてとっても伝わってきましたから。これ書いていたら、久々にジミーちゃんの動いてる絵が見たくなってきた(笑)。(ケンツ・男性)

 あの当時のあの年齢層の子供が自然体のままアニメになっていたから。そしてそのキャラクターに親近感と憧れと好意を抱く事が出来たから。同じ「バイファムが好き」という同世代の友人がたくさん出来たから(St.Pegasus・男性)

 子供達のキャラクターがいい。これがバイファムの一番の魅力。13人全員のキャラが立ってる。キャラがうまく描かれているので、視聴者はこの子供達の性格を何年たっても忘れないだろう。もう実際に生きている人物と同然である。これほどの作品はなかなか無い。 そして物語。異星人との戦争というハードな状況と、両親に会うという目的をもった子供達。次々と出てくる困難に、彼らはどう立ち向かっていくのかを、物語は一貫して描いている。そんな物語に違和感無くとけ込めるのがよい。子供達の目線で見ているのがうまくいっている。 そしてみごとなラスト。物語を見事にまとめている。これはあらゆる分野の物語作家に広くすすめたい。新世紀にも残したい、アニメの「古典」となるべきだと思う。(saku・男性)

 うまくは書けませんが、キャラクター、世界観、ロボット、といったバイファムの世界全てが、僕の求めていたアニメだと思う。今こうして、現在のアニメと比べるとそれが、明確になってくる。バイファムの前にバイファムなし。バイファムの後にバイファムなし。(RV-ミツテル・男性)

いわゆるヒーロー・ヒロインではない、身近にいそうな子供達が魅力的なのはもちろん、自分もあの中に入りたくなるようなストーリー(でも戦いはイヤ)そして、当時は軽く流していた大人達のセリフが、今改めてみると深く感じるられるのもこの作品が好きな理由です。(なべなべ・女性)

やっぱり、キャラクターが生き生きしていたからでしょう。そして、当時見ていた私が、彼らと年が同じで、共感できる部分がたくさんあったからというのもあります。ロボットアニメはそれまで見てなかったのに、好きではなかったのに、バイファムは何か違ったのでしょうね。彼らの日常生活に、彼らのやり取りにとてもひきつけられていました。自分も彼らと一緒になって、旅をしていた気がします。今も繰り返し、繰り返し見ているのは、彼らに会いたいからなのでしょうね。(なつめ・女性)

銀河漂流バイファム。私が大好きな作品。なぜこの作品が私を魅了し続けるのか、これまで幾度考えたことか。残念ながら、私には明確な答えを見いだすことができません。でも、初めてこの作品に触れたときの歓びと感動は、今でも確かに思い出せます。それはどこから来たのでしょう。愛すべきキャラクター達、綿密な舞台設定とリアルな描写、そしてもちろん、子供たちによる子供たちのための物語…どれも私には大切な魅力です。でも、それだけではない何かがあるように思えてなりません。それを言葉にするならば、作品の質感、空気、いや、肌触りとでもいうべきものでしょうか。それは単に心地よいだけではなく、時には痛みすら伴うものでしたが、確かな手ごたえと優しさをもって、私を包み込んでくれました。その根源を成すのは、作品への愛情です。送り手と受け手とが共有できる、作品へのあたたかな愛情。その豊かさこそが、この作品の最大の魅力だと思います。(ほうがん・男性)

こうしなきゃいけない!っていう話の押しつけがないアニメですよね? しかも、的はずれじゃなくって、見てる自分たちの気持ちにストレートに入り込んでくるという。1話のはじめにロディが子供たちとサッカーをやっているシーンがあるけど、そういった集団生活にあるはずのエピソードを戦災孤児という状況を利用して、全編を通じて強く浮き彫りにしていったようなカンジがあります。だから想い出として共有できるんでしょうね。主人公たちが死なないことがあんなにも受け入れ易い話も他にないです。バーツとジミーは死ぬと決まっていたそうですが……(参考:別冊アニメディア『バイファムPART2』)余談ですが……真鍋譲治さんの「アウト・ランダーズ」の1巻の最初のページで主人公の部屋にマキのポスターが貼ってあるのを見て、異常に感動したのを覚えています。(匿名希望・男性)

やっぱ主題歌でしょう!全編英語の主題歌しかもアニメで。曲自体もロック系でGOOD!あの頃中学生だった君はきっと英和辞典で意味を引きまくったはず!バイファムという作品の全てを物語るすばらしい曲です今でもこの”HELLO VIFAM”を聴くと元気になります。この主題歌があったからこそ13人がのびのび活躍できた、そんな気がします。(ひとみりん・男性)

あのころ私は親友とか仲間とか呼べる人がいなかったです。(普通に友達はいたんですけどね。)それで、あの13人を見ていていつもうらやましかった。なんで私はジェイナスに乗っていなかったんだろう、なんで私はマキさんじゃないんだろう(爆笑)って。たとえそれがアニメにせよ、作られた状況にせよ、命のキケンを伴う状況にせよ、特に仲良くなかった者達が集まっていろんな危機をのりこえ、かけがえのない仲間になっていく、それが私にはうらやましかったのです。精神以外は大人になってしまった(一部反論アリ)今でも、私はあの13人みんながうらやましいです。きっとそれは自分の問題なんですよね。自分ならどうするか、たとえば私が14人目のキャラで(笑)ジェイナスに乗り込んで、たまたま生き残ったとしても、今のままの私では即刻製作側及び視聴者の希望により抹殺されたことでしょう(爆笑)。でももし!もし私が13人のうちの一人だったら。(マキだったら最高)〜〜〜〜〜そんなことを考えたり、気付かされたり。だからわたしはバイファムが好きなのです。というより、バイファムが必要だったのです。(らら・女性)

わたしがバイファムが好きな理由は、「人の気持ち」や「やさしさ」の表現が当時の他のリアルロボットアニメに比べてけた違いにすばらしかったからです。宇宙空間のリアルな描写やコンピュータの具体的な操作や役割は当時のアニメでは衝撃的でした。しかしわたしが10年以上忘れることができなかったのは、子供達の素直な感情や、敵対する異星人との友好、幼い者を守りいたわる気持ち、はじめて異性と引かれ合う思春期を描いたシーンでした。中学生だった自分にとってロディとカチュアのふれあいと最終回での別れのせつなさは深く心に焼きついたのです。そして紙飛行機が「人の想い」の具象化したものであったという結末もこの作品を象徴していたと思うのです。(さんぷる・男性)

子供達がある1つの目的に力をあわせて、さまざまな問題やいくつもの困難を乗り越える所が、すごく好きだしすごく魅力的だと思います。バイファムの世界は子供達に、大人の社会(人間社会)を解りやすく明確に表した作品だと思います。会社がジェイナスであり、学校がジェイナスであり、家庭がジェイナスであり、同僚が子供達であり、同級生が子供達であり、家族が子供達であり、etc...バイファムの世界は、僕らの今の世界におきかえられた仮の世界で、子供達に社会とはこういうもんだ、人間とはこうあるべきもんだ、と教えれる作品だと思います。だから今の子供達にバイファムを見てほしいと思うし、僕も胸をはってバイファムが好きと言えます。(デルヒテ・男性)

ストーリー自体の魅力についてはいくら語っても語り足りなくなってしまうので、当時の状況等から。放映当時は校内暴力の盛んな時期で学校の雰囲気が最悪でした。さらに私自身、そんな状況から離れたくて市外の高校に進学しようと決めたことから受験勉強が大変になった頃でもあり、かなりのストレスを溜め込んでいた時期でもありました。そんな状況の中、ほぼ同世代の主人公達が、ブラウン管の向こうの2次元の世界の中でも、悩んだり、プレッシャーを受けたりストレスを抱えたりしながらも、へこたれず、それでいてひたむきに生きようとする姿に同時代性を感じ、幾分か救われたというか癒されたような気分になったのです。個人的な理由ではありますが、これもまたバイファムにはまった理由の一つです。(MACH・男性)

「私にもバイファムを操縦出来るのかなー?」と、思わず錯覚を起こしてしまう程、子供たちの動きがリアルで等身大だった、ってところかなー。だから、ものすごく「いれこみ」ました。よく泣いたわ〜。(香里園メトロ・女性)

まず大前提: ロボットアニメであること。それから、「14人目になりたい」と思えるところ。解説してしまうとかえってつまらなくなるけど、「バイファム」のような、謎解きとか壮大なスケールのストーリーとかはウリでない作品の場合、登場人物(子どもたち)のやることに共感できなかったら、絶対好きになれないと思う。あとは、個人的に最近の傾向として、「もし自分に子どもがいたらその子に見せられるような作品」がツボにはまるみたい。これは夕方や日曜朝にやっているTVアニメに限ってだけど。(上村@一橋大・男性)

初めて『月刊OUT』の記事を見たときから好きだったような…自分と同年代の少年少女のSFという、リアルな設定でありながら、芦田氏のミンキーモモ的なキャラクターが、ファンタジックな雰囲気をかもしだしていて、どこか寓話的なイメージのある作品であったこととか…あとは、作品全体の根底に引かれた、押し付けがましくない優しさ、でしょうか。名作は、例えどれほど月日が経とうと、色あせることなく語り継がれていく、そのことを証明している作品だと思います。(東山夏文・女性)

ご覧頂ければ分かる通り今回はもう圧倒的多数である。一文にまとめると「自分と同世代のキャラクターが前向きに生きる姿が劇中で生き生きと描かれているところ」というところだろう。おそらく異論はあるまい。

「ないでしょうねぇ」

ほかにいくつか「メカなどのリアル描写」という視点も挙げられているが、これはそれぞれの意見にも書かれているようにあくまで「キャラクターの魅力」の次に来るものという解釈が有力である。よって先の見解は動かし難く、これを今回の公式見解としたい。ただしキャラの魅力をはじめとした様々な魅力が有機的に結びついてこその「バイファム」であることはきっちりと押えておかなければなるまい。ハローバイファム、音楽、リアルなSF設定、ハードなストーリー、そして最終回のクライマックスなどすべてが「バイファム」の構成要素であり、それらの微妙なバランスがきちんと取れてはじめて「バイファム」という作品が成立している、ということである。

「すべての中心に子供たちのキャラクターがあるけれども、土壌の部分の存在を忘れてはいけない、ということですね」

あとひとつ、今回寄せられた意見を見ていると、これまで議論してきた「バイファム13のどこに問題があったのか」また「次に新作を作るとしたらどのような内容が望ましいか」そして「知らない人に1話だけバイファムを見せるとすれば何話がよいか」というお題への回答としても通用するところがあって非常に興味深い。ファンの意識の根底に存在している「こういう部分がバイファムという作品のポイントであり、それを外してはバイファムとして成立しない」という信念めいたものを強く感じさせるし、各々のバイファムファンから寄せられた意見のベクトルが多少の違いこそあれほぼ同じ方向を向いている、ということは見逃せない点である。実際にバイファムの制作に携わっておられた方々が当「公聴委員会」をご覧になっておられるとは思わないけれども、何かの機会に偶然目にされることがあればじっくりとこれらの意見をご覧頂きたいと思うし、そして今回の公式見解を含めた当委員会での議論が広い方面に波及し、それによってまた「バイファム」のムーブメントがどこかで起こることがあればこれに勝る喜びはない。と、当企画のまとめの言葉としてはこんなところであろうか。

「おおっ、きれいにまとめましたね」

というわけで当「バイファム公聴委員会」はそろそろ締めである。第1回から今回まで参加してくださった全ての皆様に感謝。いつかまた会う日まで。えーと、バイファム風に締めくくると「someday sometime...」というやつだな。

「ち、違います。それはミ○キーモモでございます」

と、オチがついたところで当委員会はこれにてお開き。では、またの機会に!「some other day...」

(構成:MAGI)


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